信じていたのに裏切られた

 
 

【いい雰囲気で油断した】

ブラックというと、面接で凄く優しいというイメージがあるのですが、私が勤めていたところはそうでもありませんでした。
言ってしまえば、可もなく不可もなくというかんじで、逆に安心してしまいました。
今思えば、それが狙いだったのかもしれません。
優しすぎたら、ちゃんと警戒していたと思います。
勤め始めてからも、先輩たちの雰囲気の良さに感動とまではいきませんが、ここにしてよかったと心の底から思えました。
分からないことがあって聞いても丁寧に教えてくれましたし、いい関係を築けていたと思います。
それが狙いだったと思うとはらわたが煮えくり返りそうですが。
働き始めてしばらくは、そのようなかんじが続きました。
変化があったのは、3ヶ月ほどしてからです。
 
 

【気づいたことと聞いてしまったこと】

最初は仕事を覚えるので精一杯なわけですから、周りが意外と見えていないのです。
しかし、慣れてきた頃、あることに気づきました。
先輩方の机が、荒れているのです。
整理が苦手とかそういうレベルではなく、かなり酷い有様で、片づけが苦手な私でさえ引いてしまうほどでした。
ですが、そこまでは気にしていませんでした。
きっと今先輩方は忙しいんだろう、新人の自分はまだそこまで任せてもらえないんだろうと思っていました。
ですが、現実は違いました。
それから何日かしたある日、トイレでうとうとしていたら、先輩2人が入ってきました。
急いででなきゃと思ったのですが、あることを聞いて出られなくなりました。
それは、「あの子、そろそろ使えるかな」というものでした。
耳をそばだてて聞いてみると、その内容は驚くべきものでした。
新人にはわざと優しくしていい関係を築き、段々仕事を増やしてコマとして扱うというものでした。
いい関係を築いているから辞めにくいだろうし、段々仕事を増やしていけば仕事を任せられていると思い込むだろうとのことでした。
私はそれを聞いたとき、なんというところに就職してしまったんだと思いました。
ですが、確かに今思えばその通りでした。
それから少しして、私は忙しくなり始めたのです。
 
 

【現実が受け入れられなかった】

トイレで先輩の話を聞いた私ですが、それでも同じ場所で働き続けました。
にわかには信じられない話でしたし、きっと声が似ているだけで別の部署の人だろうと思うことにしたのです。
今思えば、そこで辞めておけば体調を崩すこともなかったのかもしれません。
私はずっと体調が良いつもりだったのですが、ある日突然疲労のあまり起き上がれなくなってしまったのです。
初めてのことだったので訳が分かりませんでした。
でも、とにかく会社に行かなければと思ったのは覚えています。
仕事も任せられるようになったと思い込んでいましたし、行かないといけないと思っていたのです。
それはわざと私に仕事を押し付けているわけで、頼りにしているわけではなかったのですが、そこまで考える余裕がなかったのです。
親には、そんな会社辞めなさいと言われました。
ですが私は心のどこかで会社の人たちを信じていたのか、辞める気はありませんでした。
親の説得もあり辞めることになりましたが、それでもまだ不本意な自分がいました。
でも、このままだとやばいと薄々感じている自分がいました。
 
 

【辞めてから】

落ち着くまでには、しばらく時間がかかりました。
時間が経つごとに裏切られたという実感がわいてきました。
信じていた人たちに裏切られるって、こんなに辛いことなのかと思いました。
私は体調を崩したから辞める方向に進みましたが、身体がずっと元気だったら働き続けていたのでしょうか。
それを考えるだけでゾッとしてしまいます。
あのとき必死に説得してくれた親に感謝したいです。
誰にも気づかれなかったら、今の私はどのように過ごしていたのか、もしかしたら急に鬼籍に入っていたかもしれないと思うと、震えが止まりません。
あんな思いは、もうたくさんです。

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